老後資金2,000万円を貯める方法を、 個人年金保険で準備するには?
Topic
皆さんは「老後破産」という言葉をご存知ですか?
自身や家族の病気やケガによる治療費や介護費の増大、子供や孫の不就労などが重なり、高齢者が世帯主の家庭で家計が破綻する現象を指します。
老後破産問題が度々報じられる一方、追い討ちをかけるように「将来の公的年金の財政見通し」も不安に繋がっています。
「厚生労働省 財政検証」
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長寿化が進み、老後を「退職金+公的年金だけでは支えられない時代」が到来。
自分の老後は自分で支えるしかないということで「個人年金保険」が注目を浴びています。
では、個人年金保険とはどんなものなのか?
本コラムでは「個人年金保険で老後の資金を準備する方法」について、ご紹介していきます。
Index
「個人年金保険」とは?
個人年金保険とは、現役で仕事をしている期間に保険料を払い込むことで、老後の一定期間、もしくは生涯にわたって年金を受け取ることができる保険です。
積立型・貯蓄型保険に該当し、払込期間(満了時)は60歳まで、受給開始年齢は60歳もしくは65歳となっていることが多いです。
特徴としては5つあります。
①受給期間の違いによる3つのタイプ
一定期間もらえるタイプを「確定年金」「有期年金」、生涯もらえるタイプを「終身年金」と言います。
「確定年金」は年金受取人が亡くなっても家族がもらえます。
「有期年金」の場合、年金受取人が亡くなると受給不可能ですが保険料はもっともリーズナブルです。
②積立・貯蓄した金額に運用分が加算されるのが一般的
「確定年金」「有期年金」「終身年金」については保険料はキープされる他、運用もされますので、その額が加算されて受給されるのが一般的です。
加算される額は「返戻率」などの名目で商品案内文に表記されており、加入前に確認できます。
③運用の結果で支給額が変わる、2つの変額タイプ
保険は保険会社が運用を行うことで、大きなお金が溜まります。
「外貨建て年金」「変額個人年金」は運用の結果によって支給額が変わり、大きく増えることもあれば、元本割れするおそれもあるので注意です。
もし払込期間中に年金の受取人が亡くなった場合、それまで払い込んだ保険料は遺族に「死亡給付金」として支払われるものもあります。
④「生命保険料控除」とは別枠で、控除が受けられる
保険料を払っていると受けられる、保険料控除。
個人年金保険の保険料を支払っている間は、通常の「生命保険料控除」とは別枠で、「個人年金保険料控除」が適用されるものもあります。
ただし、控除の対象にならない商品もあるので要注意です。
⑤老後資金の調達手段としては、もはや定番
公益財団法人 生命保険文化センターが、2019年(令和元年)に発表した「生活保障に関する調査」の情報を参考にしてみましょう。
老後資金を調達する手段として「生命保険・変額個人年金保険や個人年金保険」が44.7%となっており、「預貯金」の方とほぼ同等にいらっしゃることがわかります。
個人年金保険の特徴を把握しよう
老後資金を調達する手段として、今や人気の個人年金保険。
その特徴を、ここでしっかりと把握しましょう。
多様なスタイルから選べる
それぞれ受給期間の違いがある「確定年金」「有期年金」、一生もらえる「終身年金」、運用に左右されるものの支払額を大きく超える受給額も期待できる「外貨建て年金」 「変額個人年金」など、多様な期間や運用スタイルから選ぶことができます。
運用額が確定的な商品は「あてになる」
「確定年金」「有期年金」「終身年金」については運用額が返戻率などとして確定されており、安定した老後資金を期待できます。
公的年金に信用性が不安な現在では、非常に魅力的。
株や FXなど、ハイリスク・ハイリターンの運用などと比べても安心です。
所得税・住民税が軽減される
既述ですが「生命保険料控除」とは別枠で「個人年金保険料控除」が適用されるため、 毎年の所得税・住民税が軽減されます
(※注意:そうでない商品もあります)。
こうした特徴をしっかり踏まえて商品選びをし、さらに有利に老後資金を準備するようにしましょう。
老後資金を有利に準備するポイント
個人年金保険を活用して、老後資金を有利に準備する例を2つあげてみます。
ぜひ参考にしてみて下さい。
例1:公的年金支給までのつなぎにする
リタイア年齢は60歳なのに、公的年金の支給は65歳から。
つまり「空白の5年間」が存在する訳です。
受給期間の選べる「確定年金」「有期年金」の期間は5年タイプを選択し、60歳から年金支給が開始されるタイプの商品をセレクトすることで、この空白期間を埋めることができます。
例2:できるだけ早く、若いうちに加入するとお得
例えば老後資金を預貯金で準備しようとすれば、できるだけ早いうちに、若い頃から積み立てたほうが気持ちも楽にできます。
積立・貯蓄型である個人年金保険もまったく 同じです。
早く始めることで、それだけ月々の保険料は安くなります。
できるだけ若いうちに加入することで、家計に負担をかけずに老後資金が準備可能です。
まとめ
「個人年金保険で老後の資金を準備する方法」について、ご紹介しました。
活用ポイントとしては…
受給期間の選べる確定年金・有期年金の5年タイプを選択し、60歳から年金支給が開始されるタイプの商品をセレクトすること。
そしてできるだけ早く、若いうちに加入することで月々の保険料を安くし、家計への負担を減らすということが重要です。
ぜひ参考にしていただき、老後資金の確保に個人年金保険を活用してみてください。