ホンネのおかね

生命保険加入前に知っておきたい
遺族年金はいくら受け取れるの?

Topic

家計を支えている世帯主。
もし仮に不幸にあった場合、残された遺族は路頭に迷ってしまうリスクがあります。
そうした悲劇にあわないように、多くの方は死亡保険を考えるかと思います。

その際に保険金額の設定をします。その額は残された遺族が生活を維持できるようにする必要があるのですが、
その際にぜひ調べてほしいことがあります。
それは「遺族年金の受給額」です。

本コラムでは、死亡保険へ加入する前に知っておくべきことについてご紹介いたします。

Index

死亡保険について

死亡保険と遺族年金についてご紹介する前に、
「生命保険」という言葉には2つの意味があります

生命保険には2つの意味がある!?

実は生命保険という言葉には、2つの意味があります。
一つ目は、人を保障する生命保険商品全般=生命保険(商品)という意味。
そして、もうひとつが「死亡保険」という意味です。

タイトルが「生命保険加入前に遺族年金の受給額について調べておこう」になってしまったのは、そのためです。
混乱を招くタイトルを付けてしまいましたが、
死亡保険より、同義語としての生命保険で検索なさる方が非常に多いので、そうさせていただきました。

死亡保険とは

被保険者が亡くなる、もしくは高度障害になったとき、保険金が受給できる生命保険の商品を指します。
保険金額は加入するときに規定範囲で設定可能ですが、
高額に設定するほど保険料に反映されてしまうので注意が必要です。

掛け捨てタイプで保険料が安い定期保険、
長期の定期保険で貯蓄型の養老保険、
生涯の保障をする貯蓄型の終身保険があります。
以前ご紹介した内容でもご説明しているので併せて参考にしてみて下さい。

遺族年金とは?

遺族年金は「国民年金や厚生年金に加入していた方が亡くなられた場合に、
その方に生計を支えられていた遺族が受給可能な年金」を指します。
公益財団法人 生命保険文化センターでは、
ホームページで「公的な遺族年金の仕組み」について解説をしています。(以下、引用)

<万一の場合に見込める社会保障「遺族年金」> 遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金があります。
どの遺族年金を受け取れるかについては、亡くなった人の職業によって異なります。
また、遺族年金を受け取れる遺族の範囲も遺族基礎年金と遺族厚生年金では異なります。
※2014年4月以降に妻が死亡した場合、父子家庭も遺族基礎年金を受け取れるようになりました。

さらに、厚生労働省ホームページ内の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をご覧ください。

2021年(令和3年)度の厚生年金保険(第1号) の遺族年金受給者の平均年金月額は82,371円でした。
つまり、遺族年金には、それぞれに異なる受給資格や受給金額があるものの、
厚生年金保険(第1号)を例にとれば、月々82,371円平均の遺族年金が受給可能であるということです。
こちらを踏まえて次項に移りましょう。

受給金額は遺族年金を確認の上で設定しよう

前項で「遺族年金には、それぞれに異なる受給資格や受給金額があるものの、
厚生年金保険で月々平均の遺族年金が受給可能である」ということになります。

そして、死亡保険の説明のとおり、死亡保険において、受取人(遺族)が受給できる金額が高ければ、保険料も高くなります。
つまり、死亡保険の保険金額を決めるときは、まずその前に公的遺族年金の受給額を確認し、
それがプラスされるという計算に基づいて設定しなければなりません。
そうしないと、余計な保険料を負担することになってしまうのです。

詳しい遺族年金の受給要件・支給開始時期・計算方法は日本年金機構ホームページをご参照ください。
→https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/izokunenkin/jukyu-yoken/index.html
ご不明点はお近くの年金事務所や街角の年金相談センターの窓口、もしくは「ねんきんダイヤル」(0570-05-1165)でお尋ねください。
→https://www.nenkin.go.jp/section/tel/index.html

まとめ

「なぜ死亡保険に加入する前に、遺族年金の受給額を調べなければならないのか? 」について
ご説明しましたが、いかがでしたでしょうか?
国民年金や厚生年金に加入していた方は、遺族が遺族年金を受給できるので、
その分を考慮した保険金額を設定するためでしたね。
月々の保険料の支払いは、住宅ローンなどと共にかなり家計を圧迫してしまうことがあります。
余計な額を支払わなくて良いように死亡保険に加入する前には必ず遺族年金の受給額をチェックするのも重要ポイントです。