生命保険加入前に知っておきたい遺族年金はいくら受け取れるの?
Topic
家計を支えている世帯主。
もし仮に不幸にあった場合、残された遺族は路頭に迷ってしまうリスクがあります。
そうした悲劇にあわないように、多くの方は死亡保険を考えるかと思います。
その額は残された遺族が生活を維持できるようにする必要があるのですが、
ぜひ知っておいてほしいことがあります。
それは「遺族年金の受給額」です。
本コラムでは、死亡保険へ加入する前に知っておくべきことについてご紹介いたします。
Index
税負担は取得した財産が多いほど大きくなる
相続税や贈与税と生命保険のしくみとの関係をご説明する前に、まず国税庁ホームページのタックスアンサーの中から「No.4155 相続税の税率」をご覧ください。その中の「相続税の税率」という表に注目していただきたいと思います。
→https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4155.htm
法定相続分に応じた取得金額が1,000万円以下なら税率10%、3,000万円以下なら15%、5,000万円以下なら20%と、
金額が上がるごとに高くなっていることがおわかりになるでしょう。
これは累進課税と言って、相続した財産が高いほど税負担が大きくなるということを意味しています。
つまり、相続する資産をコンパクトにすればするほど、
支払う相続税は少なくて済みます。それを大前提として頭に入れておいてください。
死亡保険で節税対策
ここでは死亡保険の一種である「一時払い終身保険」を利用した節税対策をご紹介します。
「一時払い終身保険」とは?
「終身保険」とは、被保険者が亡くなるまで保障が続く、貯蓄性の高い死亡保険の一種です。
その中で、契約する時に保険料をすべて払い込んでしまう一括払い型のものを「一時払い終身保険」と呼びます。
財産を譲りたい人に指名で譲渡できる
民法上、複数の相続人がいる場合には、その全員の共有財産として包括的に管理され、
その後の遺産分割協議の結果に従って分割されてしまいます。
その点、保険金を受け取るのはあくまで「契約上の受取人」です。
そのため受取人が指定されている保険金に関しては、被相続人の相続財産に含まれないため、遺産分割の対象になりません。
保険金であれば、財産を譲りたい人に指名で譲渡できます。
「500万円×法定相続人数」は非課税枠
しかし、保険金は「みなし相続財産」となり、それにも相続税が課税されます。そこで、国税庁のパンフレット「暮らしの税情報」令和元年度版の「課税遺産総額の計算」「非課税財産」の項目3をご参照ください。
→https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_4.htm
「生命保険金のうち次の額まで500万円×法定相続人の数」。つまり、生命保険「500万円×法定相続人数」は非課税枠となるので、税金がかかりません。
受取る保険額を500万円以内で設定し、財産をゆずりたいひとを受取人に指名することで、税負担をかけずに遺言状と同じ効力を発揮することが可能なのです。
生前贈与に生命保険を活用
生きている間に財産を与える「生前贈与」。
これは脱税に悪用されやすいので、通常は受け取る側に高額な贈与税が課せられます。
しかし、国税庁タックスアンサー「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」をご参照ください。
→https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4408.htm
贈与税の基礎控除制度として、暦年贈与がもっとも活用しやすいでしょう。
年間110万円までは贈与税がかかりませんので、その範囲内で数年にわたって、希望の相手に譲ることで、相手に税負担がかからなくなります。
ただ、現金で暦年贈与すると若い方などは散財してしまう危険性もあるでしょう。
そんなときは「終身保険」「個人年金保険」を活用するのがおすすめです。
贈与された相手が自分を受取人に設定する。
受け取ったお金を活用して、贈り主に生命保険をかけます。
これによって贈り主は資産を減少させることが可能になり、
贈り主が亡くなった際には保険金を受給することが可能です。
それでも贈与された相手には所得税がかかりますが、
受給した保険金は「一時所得」ですから、税負担は非常に軽くなります。
まとめ
「生命保険でできる節税対策」をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
とくに富裕層で財産が多い方には参考にしていただけたのではないかと思います。
ノープランでガッツリ資産をゆずってしまうと、
相手の税負担はたいへん大きくなってしまうもの。
しっかり節税対策をたてることで、そうした事態は回避できます。
もし、自身で対策することに不安があれば、税理士や弁護士に相談するのが賢明です。
プロの手を借りることで失敗のない節税対策を実現しましょう。