ホンネのおかね

生命保険の加入を断られた!
審査ではどこをチェックしているの?

Topic

誰でも加入しているような印象を持つ生命保険ですが、実は「加入を断られる」なんてこともあります。
もしもの備えができないなんて困りますよね。
では、生命保険の審査って、申込者のどこをチェックしているのでしょうか?

本コラムでは何のために審査があるのか?
審査対象となる部分は何か?などをご紹介しましょう。

Index

何のために審査をするのか?

「生命保険なんて、保険料を払えば良いんでしょ?なぜ審査なんかするんだ」
と思う方もおられるでしょう。
そこでまずは、保険の仕組みからご説明します。

保険の仕組み

保険は多くの契約者がある程度の金額の保険料を出し合い、お金をプール、もしくは運用します。
もしもの事態が起こった方に、そこから保険金や給付金を支払うという仕組みです。
つまり相互扶助が基本となっています。

相互扶助であれば、特定の方に優先的に多額の保険金や給付金が支払われることは好ましくはありません。
すでに重篤な病気だったり、死期が迫っている方をどんどん加入させてしまうと、保険会社の財務上不健全であるばかりでなく、
相互扶助に重要な公平性を失ってしまいます。
相互扶助ゆえ契約者間の公平性を重視し、高確率でリスクを抱えている方の加入を防ぐために生命保険の審査は必要なんですね。

審査では申込者のどんなところをチェックするか?

では、生命保険は申込者のどんなところをチェックしているのでしょうか?
ポイントは4点あります。

健康状態について

現在の健康状態(健康診断結果など)、過去の病歴、年齢、体型、喫煙習慣、妊娠についてチェックされます。
ここがもっとも重視されるポイントです。

職業について

ここでは職業の危険度をチェックします。
わかりやすいところでは、冒険家・登山家、レーサー、プロの挌闘家、アイスホッケーやラグビーの選手、
スタントマンやサーカスの座員、高所作業がある、危険物を取り扱う職業などの方々は、
死亡保険金額や医療保険の入院日額に制限が付く、もしくは生命保険に加入ができないこともあります。

加入者のモラルについて

生命保険を不正に利用したり、悪用されることがないよう、
申込者、被保険者、保険金の受取人に反社会勢力などに所属している場合は、保険加入が許されません。
加入目的・収入と支払われる保険金額が釣り合うかどうか?
申込者・被保険者・受取人の関係が健全かどうか?などもチェックされます。

その他の項目

収入・資産も審査に影響するようです。
契約内容と収入・資産などを照合し、それに見合う保障額かもジャッジします。
無職や無収入の方は保険金額が制限されたり、加入ができないこともあります。
また、妊娠している場合、出産の状況によっては保険適用となるため、妊婦さんは保険加入ができない場合もあります。
また、喫煙習慣の有無で保険料が変わることも覚えておきましょう。

告知書について

保険審査は健康診断の内容のほか「告知」をベースとしています。
告知とは健康状態や職業などの情報を正直に、正確に保険会社に知らせることです。
重視される「健康面」について、告知書の内容・質問は以下のようになっています。

最近の健康状態

最近3ヶ月以内に、医師の診察、検査、治療、投薬などを受けたか

これまでの病気・けがについて

過去5年以内に、病気やケガで継続して7日以上の入院をしたか
過去5年以内に、病気やケガで手術を受けたか
過去5年以内に、病気やケガで通算7日以上にわたる医師の診察、検査、投薬のどれかを受けたか

健康診断・人間ドックについて

過去2年以内に、健康診断・人間ドックを受けて、からだの異常を指摘されたか

身体の障害について

過去5年以内に、妊娠・分娩にともなう異常で入院や手術を受けたことがあるか
※帝王切開含む
現在妊娠しているか
告知した内容が事実と異なる場合「告知義務違反」となります。
その場合、契約や特約が解除となり、保険金・給付金なども支払われないこともあるでしょう。

まとめ

生命保険は、加入を断られる場合もあること。そして生命保険の審査についてご紹介しました。
申込者の健康面はもちろん、実は就いている職業やモラル面なども重視していたんですね。
そして契約者間の公平性や保険会社の財務の健全性を保つために審査があり、
告知書には告知義務違反にならないよう、正直に正確に記入することが大切ということでした。

筆者個人としては、職業面で「高所作業がある、危険物を取り扱う職業」の方々にも入院日額に制限が付く、
もしくは生命保険に加入ができない可能性があるというのは、知ったときショックでした。
こうした方々のおかげで私たちの生活は成立しているので、何か矛盾を感じてしまいますよね。
しかし、保険の相互扶助という面を考えると仕方ないかもしれませんね。
皆さんが生命保険の審査に無事通過され、無事加入されることをお祈りします。