ホンネのおかね

学資保険でおなじみの養老保険
その特徴とメリットをプロ目線で解説!

Topic

皆さんは「養老保険」をご存知ですか?
実は、おなじみの学資保険と同じ貯蓄性のある生命保険商品です。

日本の生命保険市場においては主力商品であり、貯蓄をしながら保障もあるため、お子さまが生まれた際に加入を検討される方が多いです。

本コラムでは、そんな知っているようで知らない養老保険について、詳しくご説明していきます。

Index

養老保険って、どんな保険?

養老保険とは、保障の期間が定められているもので、満期が来れば死亡保険金と同額の満期保険金が支払われる仕組みです。

その特徴は5つ挙げられます。

特徴1:資産形成に向く貯蓄性がある

契約期間内に被保険者が死亡したときは「死亡保険金」もしくは高度障害になったときには「高度障害保険金」が受給できます。
満期を迎えた場合には、死亡保険金と同額の「満期保険金」が支払われます。

特徴2:契約期間は被保険者が自由に設定できる

保険期間は10年、20年、30年など自由に設定できます。
お子さんが生まれた際には、お子さまが成人するまでかけたいと、20年で設定する方もいらっしゃいます。

特徴3:支払方法もさまざま

支払方法もさまざまで、毎月や毎年単位で定期的に払い込む「定期払い(有期払い)」と、契約時に保険料を全額払い込む「一時払い」があります。

特徴4:保険料が高額になる商品が多い

保険期間中に何事もなければ、必ず満期保険金を受け取ることができます。
そのため、支払う保険料には積み立てにかかるお金が含まれており、生命保険商品の中でも保険料が高額です。

特徴5:「特約」を付けると元本割れしやすい

保険料は、ベースとなる「主契約」と様々な保障機能を持つ「特約」から構成されます。

養老保険単体では、支払う保険料を満期保険金が上回るのが通常です。

しかし、入院時に一時金を受け取れたり、三大疾病になった際に受給できるようにする特約を付けると、特約分の保険料が高くなるため、トータル的に満期保険金を上回る保険料となります。

世界でも異例。養老保険優位だった日本

世界的にも生命保険会社は「死亡保険」が主力商品です。

しかし、日本においては民間の保険事業がスタートして10年後あたりで死亡保険と養老保険がせめぎ合い、その後、大正初期から昭和60年頃まで、人気ダントツの花形商品でした。

バブル期には高利回りだったため、一時払い養老保険などは大人気の時代でしたが、現在の養老保険は昔と比べて利回りや返戻率が低く、保険金が支払った保険料を下回る、いわゆる「元本割れ」することもあり、主力商品ではなくなっています。

養老保険にもメリットはあるが…

このように人気が下降している養老保険ですが、自主的に貯金をすることができない方には向いています。

銀行も低金利時代ですので、生命保険商品ならではの「同じ資産形成なら保障が付いているほうが良い」という考え方もあるでしょう。

また、保険金が受け取れる満期をライフイベントに合わせておくことで、住宅資金やリフォーム資金、老後の資金に当てることもできます。

ただ、現代は「低解約返戻金型終身保険」というものがあり、そちらのほうが人気です。

低解約返戻金型終身保険とは?

「終身保険」は解約しない限り、死亡保障・高度障害保障が生涯続きます。

「低解約返戻金型終身保険」は保険料の払込期間中の解約返戻金額を低く設定することで、一般的な終身保険よりも保険料を割安にした保険です。
保険料払込期間満了を過ぎると解約返戻率が上がります。

保険料払込期間満了前に解約すると、受け取れる解約返戻金は払込みしてきた保険料のトータルを下回るので注意が必要です。

低解約返戻金型終身保険は、払込期間を超えると、最終的に養老保険より利率・返戻率が高くなります。
総合的に見ると低解約返戻金型終身保険のほうがメリットの多い商品と言えるでしょう。

まとめ

生命保険商品は非常に複雑に見えますが、生命保険の基本は「定期保険・終身保険・養老保険」の3つから構成されます。

本コラムでは、「養老保険の特徴」と、その歴史背景などをご紹介いたしました。
いかがでしたでしょうか?

現在は魅力ある生命保険商品が次々に登場しているため、低解約返戻金型終身保険など、養老保険よりメリットの多いものも増えています。
しかし、養老保険は生命保険商品のベースとなる3商品の1つなので、養老保険を理解することで、生命保険商品全体への理解が深まります。

お子様の学資保険として、お子様の将来を見据えて、計画的に10年、20年後に満期を設定する養老保険も是非ご検討してみてはいかがでしょうか?