外貨建て保険って実際どうなの？
メリットとリスクについて把握しておこう！
Topic
日本では通常「円建て生命保険」が販売されています。
生命保険では保険加入者から預かった保険金をプールするだけなく運用する訳ですが、投資において円による通貨表示を行うことを「円建て」といいます。
円建てに対し、生命保険には「外貨建て」という商品も存在します。
本コラムでは、両者の違いや、外資建て生命保険の内容やメリット・デメリットなどリスクも含めて解説していきます。
Index
外資建て生命保険って、どんな保険？
まず、一般的な「円建て生命保険」からご説明していきます。
現代は超低金利時代であり、銀行に預金をしてもお金が増えないのが現状です。
また、投資をすれば投資者自身がそれなりのリスクを負います。
しかし、円建て生命保険商品なら運用実績がマイナスであっても、損金は生命保険会社が背負ってくれます。
通常であれば契約時に予定利率（〇歳の時点で解約返戻金が〇%増えるということ）が確約されるのが円建て生命保険です。
しかし、その予定利率すら非常に低いのが現実です。
こうした円建てに対して、一般的に予定利率も返礼率（被保険者が支払う保険料の総額に加えて受け取り可能な「満期保険金・お祝い金」の割合）も高いのが「外資建て生命保険」です。
もっとも多い外資は米ドル
対象外貨の多くはアメリカドル。ついで豪州ドル、ユーロと続きます。
保険料も安めで安全な運用
貯蓄タイプ円建て保険と比べて、わずかながら保険料も安いケースが多い上、株式やFX投資よりは安全で、しかも資産を有効活用できるため、評価が高まりつつありました。
メディアのバッシングを受けてしまった
某公共放送をはじめ、様々なメディアで「外貨建て保険」のリスクが報じられました。
これにより、不安を感じる方が増えてしまったのも事実でしょう。
外資建て生命保険は本当にリスクが高いのか？
そして、良い商品ではないのか? を検証していきたいと思います。
外貨建て生命保険のメリット
日本のメディアからバッシングを受けた外資建て生命保険ですが、メリットもあります。
では、どんなメリットがあるのかチェックしていきましょう。
利回りの高さと、運用効率の良さ
外貨建て生命保険は利回りが高く、運用効率が良いのが特徴です。
日本円による金利は低いですが、そうでない海外通貨も存在するからです。
わずかな投資でもリターンが期待できる
保険料が比較的リーズナブルで元本が少額でもリターンを期待できます。
ただし、為替相場の変動によってそうならないこともあります。
資産を運用しつつ保障が確保できる
外貨建て生命保険ですから、当然保険商品となります。
資産を運用しつつ、万が一のときの保障も確保できます。
外貨建て生命保険のデメリット
メリットとデメリットは表裏一体です。
ここでは外資建て生命保険のデメリットについてお伝えしていきます。
為替変動のリスクがある
ドル高円安のときは良いですが、円安ドル高のときには円に交換すると損失が出ます。
為替変動の影響を受けるリスクがあります。
保険料支払時・保険金受取時に為替手数料が必要
外貨建ての保険料は、一般的には保険料を円から外貨に交換します。
その際には為替相場に加えて為替手数料が必要です。
保険金を受給する際も、ずっとドルで置いておく方はいいのですが、円に換える場合には為替手数料が必要なので注意が必要です。
契約・解約時に手数料が必要な商品もある
すべての保険には「契約初期費用」「解約控除」など、契約・解約時に手数料が必要な商品があります。
外貨建て生命保険も例外ではなく、特に金利の動向次第では大きな損失になることもあるので注意が必要です。
不向きな方もいる
保険料が変動するので、高くなると支払いが困難になる方や、為替変動などの知識がない方にはおすすめできません。
資金的にゆとりがある方、手元にある外貨を運用したい、あるいはこれから海外に移住するため外貨を増やしたいという方にはとても向いています。
一時支払いタイプはリスクが高い？
加入時に保険料を全額支払うタイプの商品に加入する際には、保険料支払い時と保険金や年金受取時、解約返戻金受取時の為替レートの違いが直接影響してしまいます。
加入時の為替水準はもちろん、将来の為替変動を読み違えないよう注意が必要です。
保険金を生命保険会社があずかってくれる商品なら、円安になってから円に交換して受け取ることが可能です。
また、為替手数料にも保険商品ごとに違いが見られますので、きちんと調べてから商品を選択しましょう。
まとめ
「外資建て生命保険」をメインに「円建て生命保険」との違いやメリット・デメリットをお伝えしました。
リスクを把握し、しっかりと勉強をすることでメリットを得ることも不可能ではありません。
特に手元にある外貨を運用したい、あるいはこれから海外に移住するため外貨を増やしたいという方にはおすすめです。
是非、参考にしながら広い視野でかしこく資産運用も検討してみてください。
