健康保険が適用できない治療がある？
先進医療が【全額自己負担】ってホント？
Topic
公的医療保険制度において、保障されるものとされないものがあるのをご存知でしょうか？
いわゆる「保険給付対象外」に該当するものです。
わかりやすいところでは病気・ケガの治療以外の、美容整形などは給付対象外となります。
また、健康診断や人間ドックもそれに該当し、全額自己負担となります。
では「先進医療」についてはどうでしょうか？
本コラムでは、そんな疑問についてお答えしていきます。
Index
先進医療とは？
まずは、先進医療とはどんな医療を指すのか理解しておきましょう。
先進医療とは？
医療技術の進歩に伴い、先進医療という概念が広く知られるようになりました。
先進医療とは、現行の保険診療には含まれていないが、今後の医療技術として有望視される医療行為を指します。
実際に患者さんに施され、その有効性が確立された時点で、厚生労働省が公的医療保険の適用を認可します。
しかし、公的医療保険の適用範囲にするか否かを審査されている最中の治療・手術で、時期によって適用範囲になったり、ならなかったりしています。
先進医療の内容は時期によって変わります。
また、厚生労働省のホームページ内にある「先進医療の概要について」というサイトには、こうも書かれています。
参考ページへリンク
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1.「先進医療に係る費用」は、患者が全額自己負担することになります。「先進医療に係る費用」は、医療の種類や病院によって異なります。
2.「先進医療に係る費用」以外の、通常の治療と共通する部分（診察・検査・投薬・入院料等）の費用は、一般の保険診療と同様に扱われます。つまり、一般保険診療と共通する部分は保険給付されるため、各健康保険制度における一部負担金を支払うこととなります。
（以上、引用）
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つまり、一般保険診療と共通する部分は保険給付されるため、各健康保険制度における一部負担金を支払うこととなります。
また、各医療機関が定めた「先進医療に係る費用」＝「先進医療における技術料」については公的保険ではカバーできないが、一般的な治療に相当する部分は公的保険が適用されるということになります。
先進医療の平均費用
先進医療の費用は、その内容や治療法によって大きく異なります。以下に、代表的な先進医療の費用例を示します。
■重粒子線治療
がん治療に用いられる重粒子線治療は、1回の治療で約300万円〜500万円が必要です。
■プロトン線治療
同じくがん治療の一種であるプロトン線治療は、1回の治療で約200万円〜300万円かかります。
■ロボット支援手術
ダ・ヴィンチなどのロボットを使用した手術は、手術1回につき約150万円〜300万円が必要です。
どんな医療機関で、いくらで先進医療を受けるのか？
先進医療を行える医療機関は実はかなり限られています。
厚生労働省の認可制であり、先進医療を実施できる施設基準を満たしているかどうかを厳格に審査した上で認可されます。
ですから「自己負担で良いので、先進医療を受けます」と病院に嘆願しても、その病院では先進医療が受けられないという事が起こり得ます。
実際調べてみたら、自分の住んでいる地域から遠く離れた医療機関でしかできないことが判明するなど、先進医療の技術料だけでなく、予想以上に交通費や家族の宿泊代などに経済的負担がかかるケースも少なくありません。
そんなに大変な思いをして該当する医療機関に赴いても、必ず先端医療が受けられるとは限りません。
担当の医師が「この患者さんには先進医療はふさわしくない」と判断すれば受けることができません。
先に示した平均費用から考えても、かなり経済的な余裕がないと受けることは困難と言わざるを得ません。
先進医療を安心して受けるには?
先進医療は、公的医療保険の対象外であるため「高額療養費制度」も利用できません。
（※公的医療保険が適用される医療費であれば、収入に応じて定められた「1か月の上限額」があり、それを超える医療費は免除される）。
やはり、先進医療は経済的に非常にリスクの高い医療と言えるでしょう。
それを踏まえて、民間の生命保険では「先進医療特約」を設けたり、先進医療が保障されているパッケージ医療保険を売り出しています。
この特約を利用することで、自己負担額を大幅に軽減できます。
医療保険加入のポイント
■健康な時に加入することが重要です。
既に病気が発症している場合、加入が難しいことがあります。緩和型医療保険で加入できる場合もありますが、保険料は高くなります。
■各保険会社で特約の内容が異なるため、加入前に詳細を確認することが重要です。
■どの先進医療が特約の対象になるのかを確認することも重要です。全ての先進医療が補償されるわけではないため、注意が必要です。
まとめ
「公的医療保険制度において、先進医療は自己負担になるのか？」についてご説明させて頂きました。
先進医療特約は、高額な先進医療を受ける際に非常に有用な保険のオプションです。
この特約に加入することで、患者は経済的な負担を軽減しながら、最新の治療法を受けることができます。
保険の内容や適用範囲をしっかりと確認し、自分に最適なプランを選ぶことが、安心して先進医療を利用するための鍵となります。
今、健康な方、病気から回復された方、何年か前に手術をして保険に入れなかった経験のある方、持病のある方、一度、信頼のおける保険代理店に医療保険の相談されてみると良いかもしれません。
