ホンネのおかね

がんの治療費はどのくらいかかる?
4人に1人がなる現代だからこそ知っておきたいがん。

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公益財団法人 生命保険文化センターが行った調査の厚生労働省「人口動態統計(確定数)」(2021年)によると、 死亡の原因で最も多いのは「がん」(26.5%)でおよそ4人に1人が「がん」で亡くなっています。
 → https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1225.html 

これはもう、私たち日本人は「がんになる」と考えたほうが良さそうな数字でしょう。
がんは、その種類やステージによっては非常に治療(完治)が困難な場合があり、体も心も経済的にも大きな負担がかかります。
しかし、具体的にどのくらい心身や家計に負担がかかるのでしょうか。

本コラムでは「がんのおそろしさ」「がんの治療費」「がんに対する備え」について、述べていきたいと思います。

Index

「がん」とはどんな病気なのか?

がんになる人が増え、私たち日本人は頻繁にがんについて耳にしています。
しかし、実際にどのような病気なのかをわかっていない方もいるでしょう。
まずはがんについて改めてご説明していきます。

がんとは何か?

がんは簡単に言うと、体内で異常細胞が増殖をくり返し、増えてしまう病気です。
組織・臓器にがん細胞が浸潤し、離れた臓器にも転移します。
がんになると、がんに栄養が奪われ、がんによる臓器破壊・組織圧迫、毒作用を持つ物質の遊離などによって、最悪は死に至る病です。

がんについてもう少し詳しくみていきましょう。

遺伝子の複製ミスからがんができる

私たちの体を作る細胞は日々、新陳代謝をしています。
細胞にはDNAという細胞をつくる設計図があり、通常は新しい細胞はそれにしたがって正しく複製され、古い細胞と入れ替わる仕組みです。
しかし、まれに複製ミスで細胞の突然変異が起こります。
その際、通常は体の働きで修正されますが、特定の遺伝子に突然変異が起こると、複製ミス細胞の増殖がくり返されてしまいます。これががん細胞です。

免疫で対抗しきれないときに増える

人の体内では日々、がん細胞ができる状態ですが、免疫力などで消滅します。
それでも対抗できないとき、がん細胞は増殖し続け、やがてかたまりを形成してこれが、がんに罹患した状態です。
内科的治療においては抗がん剤や放射線治療による副作用があり、
外科手術でも完全切除の困難さから再発・転移が起こることもあり、完治するのが困難なケースもあります。

がん治療費はどのくらいなのか?

がんという病気を知っていただいたところで、その治療にどのくらいのお金がかかるのでしょう。
治療費に100万円かかった場合を想定しながらお伝えします。

公的医療保険で3割負担となる

公的医療保険に加入している間は、治療費は3割負担で済みます。
つまり、自己負担は30万円となります。

さらに高額療養費支給制度でも救済はある

公的医療保険適用の上、さらに「高額療養費支給制度」というセーフティーネットがあります。
収入にもよりますが、自己負担限度額を超える治療には月ごとに限度額が設けられ、平均的な収入であれば10万円を超えない設定です。
この制度は治療費のみを対象とし、食事代や差額ベッド代は自己負担です。
つまり、自己負担額はひと月10万円になります。

しかし、高額療養費支給制度は月ごとに限度額があるため、月をまたいだ治療があった場合「間が悪いとき」は対象から外れるおそれもあります。

先進医療による治療の場合

厚生労働省がさだめる先進医療によるがん治療を受けると全額自己負担となります。
先進医療に係る費用は数百万円に及ぶこともめずらしくありません。
やはりがんには「特別な備えが必要」でしょう。

がん保険とは?

がんの治療費について書かせていただいたところで、それをフォローするものとして「がん保険」があります
がんは高額な治療費以外にも様々な経済的負担がかかりますので、備えは必要不可欠です。

がん保険の特徴は次の4つです。

①がんに特化されている

医療保険は病気全般およびケガ全般を保障するのに対し、がん保険はがんに特化されています。
つまり、がんにならないと保険金は受給できません。

②免責期間が90日間

がん保険に新規契約すると、一般的に契約日から数え90日(もしくは3ヶ月)の免責期間(保障対象外期間)が発生します。
体調の不調を感じているひとが「もしかして、がんかも」と薄々気付きながら加入しても90日経たないと保障は開始されません。

③「上皮内新生物」は保障から外れることも

「上皮内新生物」は「上皮内部に留まっている、がん細胞」を指します。
よく聞くがんのステージ0の状態です。
上皮の浅い部分で留まって浸潤せず転移しないため、保障の対象から外れているがん保険も珍しくないです。
子宮がんや子宮頸がんに相当しますので、女性は上皮内新生物も保障対象になっているがん保険を選択することをおすすめします。

④先進医療や収入減保障の有無もある

全額自己負担となる先進医療や収入減に対する保障の有無も様々ですので、
必要な方はそれが含まれるがん保険かよく確認し、必要に応じて特約・オプションで選択しましょう。

まとめ

「がんのおそろしさ」「がんの治療費」「がん保険の必要性」についてご紹介しました。
日本人にとっては国民病と言われるようになり、備えは当然と言って良いでしょう。
また、その治療費の高さや、付随する経済的負担も大きいことから、がん保険への加入は不可欠だと思います。
家族全員の加入も視野に入れつつ、とくに一家の収入を担う世帯主にとっては重要な生命保険のひとつですね。